お子様が中学を卒業し、高校入学までの期間は、新しいステージへの準備期間として非常に重要です。この時期に勉強を怠ることには、いくつかのデメリットがあり、それが将来の学業や生活に影響を及ぼす可能性があります。保護者の皆様にその点を理解していただき、お子様をサポートするきっかけになればと思い、以下に具体的な懸念をお伝えします。
まず一つ目のデメリットは、中学で学んだ基礎知識の忘却です。中学校では数学の基礎計算、国語の読解力、英語の基本文法など、高校での学びを支える土台が築かれます。しかし、この空白期間に復習や継続的な学習を行わないと、これらの知識は驚くほど早く薄れてしまいます。例えば、数学の方程式や英語の単語は、定期的に触れていないと「あれ、どうだったかな」と曖昧になり、高校での授業が始まった際に「ついていけない」と感じる原因になります。高校の授業は中学校の内容を前提として進むため、スタート時点でつまずくと、その後の挽回が難しくなるのです。
二つ目は、学習習慣の途切れによる影響です。中学時代に毎日コツコツ勉強する習慣があったお子様でも、数か月の空白期間に何もしないでいると、そのリズムが崩れてしまいます。高校では授業のスピードが速く、宿題や予習・復習の量も増えます。このタイミングで「勉強する癖」が失われていると、再び習慣を取り戻すのに時間がかかり、精神的にも負担を感じやすくなります。特に高校1年生の最初の定期テストは、その後の自信やモチベーションに大きく影響します。空白期間に少しでも学習を続けておけば、スムーズに高校生活に移行できるでしょう。
三つ目は、周囲との差が開くリスクです。この期間に勉強を続ける生徒は、実は少なくありません。例えば塾に通ったり、自宅で高校の予習を始めたりするお子様もいます。一方で、全く勉強しない場合、高校入学時に知識や準備の面で差がついてしまいます。最初の授業で「他の子は理解しているのに、自分だけわからない」と感じると、お子様の自信が揺らぎ、学習意欲が低下する恐れがあります。この差は、受験勉強が本格化する高校2~3年生でさらに顕著になり、志望校選択の幅を狭める可能性もあります。
さらに、精神的な影響も見逃せません。空白期間を「遊びや休息」に充てることは大切ですが、勉強を完全に切り離してしまうと、高校生活への不安が募ることがあります。「高校の勉強ってどれくらい難しいんだろう」「自分にやっていけるかな」と考えるお子様にとって、少しでも準備をしておくことは安心感につながります。逆に何もせずに入学すると、急に訪れる学習のプレッシャーに戸惑い、ストレスを感じやすくなるかもしれません。
最後に、この期間を有効に使うことは、お子様の自己管理能力を育むチャンスでもあります。例えば、1日1時間だけでも参考書を開く、英単語を覚えるといった小さな目標を立てて実行できれば、高校以降の自律的な学習姿勢が身につきます。保護者の方が「高校に向けて少し準備しておこうか」と声をかけるだけでも、お子様の意識が変わるかもしれません。無理に詰め込む必要はありませんが、適度な学習を続けることで、お子様が高校生活を前向きにスタートできる土壌が整います。
以上の理由から、中学卒業から高校入学までの空白期間に勉強をしないことは、学力の低下、習慣の喪失、周囲との差、不安の増大といったデメリットをもたらします。お子様の将来を見据え、この時期に少しでも学びを続けるサポートをしていただければ、高校生活の成功に大きくつながるはずです。ぜひ一緒に、バランスの取れた準備期間を過ごす方法を考えてみてください。