ことわざや慣用句の知識が少ない中学生

中学生の「ことわざ」や「慣用句」の知識が乏しくなっている気がします。
日常会話の中にある「ことわざ/慣用句」がわからない場合、意味を正しく捉えて会話することができないことも懸念されます。
友達同士ではそこまで問題にならないと思いますが、学年が上がる(成長する)にしたがって、もしかすると困るシチュエーションが増えるかもしれません。

ことわざや慣用句は、昔から人々の生活の中で自然に使われ、口承で次世代に伝えられてきました。
しかし、現代の中学生を取り巻くコミュニケーション環境は大きく変化しています。
デジタル化が進み、SNSやチャットアプリでの短文コミュニケーションが主流となる中、ことわざや慣用句のような比喩的で長い表現を使う機会が減っています。

例えば、「急がば回れ」よりも「急ぐと失敗するよ」と直接的な言葉を選ぶ傾向が強まっている可能性があります。
この変化は、言語の簡略化を求める現代の傾向を示唆しており、慣用句やことわざの日常生活での実用性が低下しているとも考えられます。

また、テレビやインターネット上のコンテンツが中学生の言語習得に与える影響も大きいです。
現代のメディアでは、ことわざや慣用句よりも流行語やスラングが頻繁に使われ、若者の語彙に取り入れられています。

例えば、「やばい」「エモい」といった簡潔で感情を表す言葉が多用され、伝統的な表現が影を潜めています。
これにより、中学生がことわざや慣用句に触れる機会が減少し、結果として知識が育まれにくい環境が形成されているといえます。
実際、アニメやYouTubeなどの視聴時間が長い世代では、伝統的表現よりも即時性のある言葉が優先される傾向が観察されます。

かつては家族や地域社会の中で、祖父母や親から子へとことわざや慣用句が自然に伝えられていました。
しかし、核家族化や共働き家庭の増加により、世代を超えた会話の機会が減っています。
特に都市部では、地域コミュニティの結びつきが弱まり、中学生が年長者から伝統的な知恵や言葉を学ぶ場面が失われつつあります。
この点は統計的な裏付けが難しいものの、社会学的な研究で指摘される「世代間コミュニケーションの希薄化」が関連していると考えられるでしょう。

言語学者や教育関係者の間では、若者の語彙力低下が話題に上ることがあり、その一環としてことわざや慣用句の知識不足が指摘されています。

とはいえ、ことわざや慣用句の使いこなしは、生徒個々人によって異なっており、私自身、塾を通して出会った生徒との関係上でしかその問題は認識できません。
少なくとも、出会う生徒たちのことわざや慣用句といった語彙力は高めてあげたいと思います。

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